今回は、
股関節の機能解剖学を
まとめていきます。
〈股関節とは?〉
・体重を支えるための支持機能
・運動時の下肢の方向を決定づける
方向性の機能を担う人体最大の関節
股関節は、
筋肉や靭帯がいっぱいついているため
分かりにくく覚えるのも大変だと思いますが、
ここでは要点を絞って解説していきます。
〈股関節の基本構造〉
・寛骨と大腿骨で構成される。
・寛骨には、股関節の関節窩である寛骨臼がある。
・寛骨臼は、半球状で下の部分に寛骨臼切痕という
大きな切り込みがあります。
・寛骨臼の壁には、
大腿骨頭と接触する三日月状の関節面である月状面と
接触しない寛骨臼底凹部の寛骨臼窩があります。
・月状面の表面位は関節軟骨で覆われており
最も荷重(体重)がかかる上前方部で肥厚しています。
・股関節の関節形状は臼状関節になる。
○寛骨臼の向いている方向は真っ直ぐなのか?
・真っ直ぐ外側ではなく、下前方を向いている。
・前額面(前から見ると)では、
寛骨上縁と骨頭中心を結ぶ線は垂直に対して
約35〜40°下方に傾いている。
・水平面(上から見ると)では、
寛骨臼の縁を結ぶ線は前後線に対して
約20°前方へ傾いています。
○大腿骨って?
・人体の中で最も強靭で長い骨。
・大腿骨近位(身体に近い方)では
骨頭⇨骨頸⇨転子部で構成される。
・大腿骨頭は寛骨臼と関節を構成している部分。
・骨頭中心のやや後方(大腿骨頭窩)に陥凹し
大腿骨頭靭帯が付着している。
⇨この部分を除いた骨頭表面部分は
関節軟骨で覆われており、
最も荷重がかかりやすいので
大腿骨頭窩上前方部が最も肥厚している。
・前額面から見ると
大腿骨頭は大腿骨体に対して上内方に傾いている
⇨この大腿骨頭と大腿骨体長軸の角度を
頸体角と言います
頸体角の正常な成人では120〜130°ある。
内反股→正常より角度が小さい
外反股→正常より角度が大きい
・水平面から見ると
骨頭はやや前方へ捻れている。
⇨大腿骨頸と大腿骨内外側顆を通る内外軸の
角度を前捻角と言います
正常な前捻角は10〜30°であり、
過度な前捻→角度が大きいもの
後捻 →角度が小さいもの
〈まとめ〉
・股関節の機能解剖学として
簡単に基本構造をまとめました。
これだけでも十分な量があるかと思いますが
効率よく覚える方法としては
自分や友達の身体を実際に触って
名称を言いながらやると徐々に
頭の中に入っていきます!
けん@理学療法士