〈はじめに〉
今回は
「下肢の運動」について
「股関節の動き」を
まとめました。
・運動方向はいくつあるの?
・運動の制限は何が原因なの?
という方は
見て頂けると良いです!
それではやっていきましょう!
〈股関節の動きは?〉
基本的な立位の姿勢では
大腿骨の解剖学軸は
垂直軸に対して9〜10°
傾いています。
股関節の運動は
大腿骨頭と膝関節中心を
結んだ運動軸で行われます。
大腿骨骨頭頸部と骨幹部が
頸体角として120〜130°の
角度があります。
骨頭が上内前方を向いているので
運動軸は垂直軸に対して
約3°傾いています。
大腿骨頭を上から見ると
骨頭は少し前へ向いています。
これを前捻角と言います。
角度は10〜30°で
小児では約35°傾いています。
〈股関節の屈曲と伸展〉
屈曲と伸展の可動域は
膝関節の肢位により
変わります。
○股関節屈曲
膝関節伸展位では、
⇨ハムストリングスの緊張により
自動では90°、他動では120°。
膝関節屈曲位では、
⇨ハムストリングスは弛緩している
自動では120°、他動では140°。
この数値は
関節可動域の参考可動域と
多少のずれがあるので
間違えないようにしましょう。
両側の股関節を
同時に屈曲すると
腰椎が後弯し、
骨盤の運動が起こり
大腿前面が体幹に
接触するように見えます。
○股関節伸展
膝関節屈曲位では
⇨ハムストリングスの筋発揮が
膝関節屈曲に使われる部分が大きい。
そのため、
股関節伸展の自動では
約10°になります。
膝関節伸展位では、
⇨約20°の股関節伸展が可能。
○股関節可動域の制限因子
・股関節屈曲の制限
⇨膝関節屈曲位では、
大腿前面の腹部体幹の接触。
膝関節伸展位では、
ハムストリングスの緊張。
・股関節伸展の制限
⇨腸骨大腿靭帯、股関節屈筋群の緊張。
〈股関節の外転と内転〉
○股関節外転
骨盤を固定せずに
片側の股関節外転を行うと
骨盤が傾きます。
そのため
反対側の股関節も外転します。
これは約30°以上で
外転が起こります。
股関節外転90°では
両側の股関節が45°ずつ
外転していることになります。
○股関節内転
基本肢位での内転は
屈曲しなければできない。
股関節屈曲位では
靭帯が全て弛緩した状態に
なります。
内転が加わると
大腿骨頭には外向きに対して
力が働きます。
関節における骨の接合状態は
最も弱くなります。
○股関節外転の制限因子
⇨腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、
内転筋群の緊張。
○股関節内転の制限因子
基本肢位による制限は
⇨対側下肢の接触
⇨股関節屈曲位では、
坐骨大腿靭帯の緊張。
〈股関節の外旋と内旋〉
股関節伸展位では、
⇨外旋45°・内旋45°の
可動域があります。
股関節屈曲位では、
⇨靭帯の緊張による制限が
取り除かれるため
可動域は大きくなります。
○股関節外旋の制限因子
⇨腸骨大腿靭帯、
内旋筋群の緊張。
○股関節内旋の制限因子
⇨外旋筋群の緊張。
股関節屈曲位では
坐骨大腿靭帯。
股関節伸展位では
腸骨大腿靭帯の緊張。
〈まとめ〉
股関節の動きについて
いかがでしたか?
最後にもう一度
まとめておきます。
○股関節の制限因子
・屈曲
⇨膝関節屈曲位では
大腿前面の腹部体幹の接触。
膝関節伸展位では
ハムストリングスの緊張。
・伸展
⇨腸骨大腿靭帯、股関節屈筋群の緊張。
・外転
⇨腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、
内転筋群の緊張。
・内転
⇨対側下肢の接触。
股関節屈曲位では
坐骨大腿靭帯の緊張。
・外旋
⇨腸骨大腿靭帯、内旋筋群の緊張。
・内旋
⇨外旋筋群の緊張。
股関節屈曲位では
坐骨大腿靭帯。
股関節伸展位では
腸骨大腿靭帯の緊張。
上記内容は
覚えておきましょう!
今回は以上です。
〈引用・参考文献〉
・基礎運動学 第6版 補訂
中村隆一
斎藤 宏
長崎 浩 著
〈最後に〉
Q.
股関節の
運動方向・制限因子は
分かりましたか?
A.
はい or いいえ
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