今回は
股関節周囲の靭帯について
まとめました。
股関節は
関節の運動方向も多く
どの動きで靭帯が役割を果たしているか
分かりにくいところもあるかと思います。
この記事を読むことで要点をおさえ
定期試験や国試の勉強に役立てて下さい!
それではやっていきましょう!
〈股関節の関節包〉
○関節包
・股関節の関節包は
とても強靭であり前方は特に肥厚しています。
・寛骨臼では関節唇から始まり、
大腿骨には下方前面の転子間線、
後面では頸部遠位1/3に付着しています。
・関節包内面を
輪の形に巻いている線維を輪帯といい
連結を強化しています。
〈股関節の靭帯〉
○腸骨大腿靭帯(Y靭帯)
・股関節の前面にある人体の中で
最も強靭な靭帯になります。
・形が逆Y字型をしていることから
Y靭帯とも言われています。
・下前腸骨棘と寛骨臼縁から始まり、
大腿骨前方の転子間線に付着しています。
・この靭帯は上方線維束と下方線維束に分けられます。
・股関節の伸展、外旋すると緊張し
過度な運動の制限をします。
また股関節内旋では靭帯の上方線維束が
とくに緊張します。
○恥骨大腿靭帯
・寛骨臼の前下方に位置しており、
恥骨上枝から始まり、大腿骨小転子を結び
関節包前下面を補強しています。
・股関節の過度な伸展と外転を制限します。
また股関節外旋でも緊張し制限しています。
○坐骨大腿靭帯
・股関節後面の寛骨臼後下方に位置しており、
坐骨から始まり、大転子内側部を結んで
関節包後下部を補強しています。
・股関節の伸展、内旋すると緊張し
過度な運動を制限しています。
また股関節外転時にも緊張し運動を制限します。
○大腿骨頭靭帯
・骨頭窩と寛骨臼横靭帯を結ぶ靭帯であり、
骨頭部に対してわずかな血液供給を行なっています。
・股関節内転時に緊張しますが、
関節の安定性にはほとんど作用していません。
○寛骨臼横靭帯
・寛骨臼下部の骨形成が不完全である
寛骨臼切痕の部分に張っており、
関節の安定性に関与しています。
〜股関節の運動と靭帯の作用〜
屈曲 |
伸展 |
外転 |
内転 |
外旋 |
内旋 |
|
腸骨大腿靭帯(上部) |
− |
+ |
− |
++ |
+ |
− |
腸骨大腿靭帯(下部) |
− |
++ |
+ |
+ |
+ |
− |
恥骨大腿靭帯 |
− |
+ |
++ |
− |
+ |
− |
坐骨大腿靭帯 |
− |
+ |
+ |
− |
− |
+ |
大腿骨頭靭帯 |
− |
− |
− |
+ |
− |
− |
〈まとめ〉
いかがでしたか?
以上が股関節周囲にある
主な靭帯になります。
多くはないですが靭帯により
役割・付着部が違いますので
動作と合わせてどのようになるかを
身体を使いつつ勉強してきましょう!
機能解剖学は、
触って動かしてなんぼです!
今回は以上です。
けん@理学療法士