【小脳失調とは】〜障害・スクリーニング〜

 

〈はじめに〉

 

今回は

小脳失調について

まとめました。

 

小脳の障害では、

小脳失調(小脳性運動失調)

呼ばれる特徴的な症状が

見られます。

 

この症状が見られる疾患は

 

脊髄小脳変性症

多系統萎縮症

小脳出血

小脳梗塞   など

 

上記の疾患になります。

 

この記事では

症状やスクリーニング検査

書いているので、

学校での勉強または臨床で

活かしてもらえると幸いです。

 

それではやっていきましょう!

 

 

〈小脳失調とは?〉

 

小脳失調は、

明らかな麻痺が見られないのに

随意運動や姿勢を正常に保つための

協調運動ができない状態のことです。

 

 

○大脳小脳

 

・機能

 ⇨四肢の運動調節・言語

 

・障害されると

 ⇨四肢の運動失調

   •変換運動障害

   •測定障害

   •運動の分解

  企図振戦

  筋トーヌス低下

  構音障害(断綴性言語)

 

 

○脊髄小脳

 

・機能

 ⇨体幹の運動調節

 

・障害されると

 ⇨体幹の運動失調

  •体幹失調

  •酩酊様歩行

 

 

○前庭小脳

 

・機能

 ⇨平衡、眼球運動の調節

 

・障害されると

 ⇨平衡障害

  眼球運動障害(眼振など)

 

 

〈出現する障害は?〉

 

○変換運動障害

 

ある動きから反対の動きへの

変換がスムーズにできない状態

 

例として、

前腕の回内運動から

 回外運動への切り替え

 

屈筋の収縮から

 伸筋の収縮を行う。  など

 

 キーボードを打つ。

 ピアノを弾くことができない。

 

 

○測定障害

 

手足などを目標物に対して

正しく動かずことができずに

ずれてしまうこと

 

例として、

カバンを取ろうとするのに

 掴み損ねてしまう

 

コップを掴もうとして

 手がコップを超えてしまう。 など

 

 

○運動の分解

 

複数の筋肉が同時に収縮して

スムーズに動くことができず、

バラバラになってしまう

 

例として、

目標物に対して手を伸ばすも

 真っ直ぐ伸びず揺れながら伸びる

 

 

○構音障害(小脳性構音障害)

 

発生に必要な喉頭筋群などの

協調運動が障害されます。

 

酔っ払っている

数語ずつ

途切れ途切れで

 不明瞭な話し方(断綴性言語)

 

上記のような話し方になります。

 

また、

ゆっくりとした話し方(緩徐言語)になり、

音(声)の大きさが調節できずに、

突然大声になる爆発性言語も見られます

 

 

○体幹失調・酩酊様歩行

 

・体幹失調

 ⇨体幹の姿勢保持、運動調節ができず

  立位またはひどくなると

  座位でも体幹の動揺が見られます

 

・酩酊様歩行

 ⇨歩行を行うときに両足を開き

  体幹を揺らしながら

  不安定に歩きます

  酔っ払いに見えるために

  このように呼ばれています。

 

 運動失調で起こる

 失調性歩行の1つです。

 

 

○眼球運動障害

 

・注視方向性眼振

 ⇨視線をある方向に固定したときに

  起こる眼振になります。

 

 眼振の方向(眼球が急速に動く方向)は

 注視した方向になります

 

※右を向いたら右向きの眼振

 左を向いたら左向きの眼振になります。

 

 

〈スクリーニング検査〉

 

○鼻指鼻試験

 

患者さんの示指(人差し指)で

 自分の鼻先と技師の指先を

 交互に触れてもらう試験です。

 技師の指は1回毎に場所を変えます

 

 見るポイントは、

・示指の動き

・振戦の出現

・患者さんの鼻先

 技師の指先に正確に触れるか  など

 になります。

 

※同様の試験で鼻指試験もあります。

 

 

○踵膝試験

 

患者さんに仰向けに寝てもらい

 片側の踵を足関節背屈した状態で

 反対側の膝に乗せてもらいます

 

 次に

 すねを沿って足首まで真っ直ぐに

 踵を滑らせます

 

 この動作の繰り返しになります

 

 見るポイントは、

・運動の軌跡

・円滑さ(スムーズにできるか)

・足の動揺

・速度      など

 になります。

 

膝叩き試験(向こう脛叩打試験)

 行うこともあります。

 片側の踵で反対側の膝を

 繰り返しタッチする動作になります

 

 

○手回内•回外試験

 

・両方の肘を軽く曲げ、

 前腕を挙上させた上で

 手関節の回内•回外を

 最大速度で行います。

 

見るポイントは、

・動きの円滑さ

・リズム

になります。

 

前腕を前に突き出して行う方法

座位で膝を手掌と手背で交互に

素早く叩く方法(膝打ち試験)

行うこともあります。

 

非利き手では、利き手と比べ

遅くなる可能性があるため

評価するときは注意が必要になります

 

 

○つぎ足歩行

 

1歩毎に踵を前の足のつま先に

 ピッタリつけて1直線上に歩きます

 

 見るポイントは、

・ふらつきの有無

・方向

 になります。

 

 酩酊様歩行のような明らかな

 失調性歩行でなくても

 小脳障害をスクリーニング

 できます。

 

 また前庭神経障害や

 深部感覚障害も

 見つけることができます。

 

高齢者では正常でも多少の

 ふらつきが見られるので

 判断に注意が必要になります

 

 

〈まとめ〉

 

小脳失調の障害や評価は

どうでしたか?

 

評価方法については、

簡単に練習もできるので

ぜひやってみて下さい。

 

評価をスムーズに行うためにも

練習あるのみです!

 

今回は以上です。

 

 

〈最後に〉

 

Q.

小脳失調の評価方法は

理解できましたか?

 

A.

はい or いいえ

 

 

コメント、TwitterのDM、リプ

お待ちしております。

 

 

けん@理学療法士

 

 

おすすめの記事一覧